オートバイのデザインに携わっていた店主の中田竜明氏が2019年にオープンした玄米パン専門店「薪窯nanana」。
趣味である登山をきっかけに森林問題、特に人工林の問題を知り、少しでも森林の健康に貢献したいと整備した際に出る木材を利用してパンを焼くことにしたという。
当時は小麦を使った自家製酵母パンを販売していたが、ある日突然今まで使っていた酵母の状態が悪くなり「お客さんに提供できるパンが焼けない」とお店を閉店した。
そして1年半パンの研究に費やし、たどり着いたのが農薬不使用のササニシキを使用した玄米パンだった。
2022年5月より、玄米パン専門店として営業再開を果たした。
完成した玄米パンを店主は「味わいはバゲットやフランスパンに近く、外が香ばしく中がもっちりとした食感です。」とアピールする。
農薬や化学肥料を使用していない宮城県産ササニシキをベースに生地をつくり、店主自らレンガを積み上げた薪窯で焼き上げている。
パンにすることで玄米が消化しやすくなり、お子様やお年寄りの方、小麦アレルギーの方にも安心して召し上がっていただけるという。
店頭で販売されている玄米パンは、基本の5種類(ササニシキの玄米60、山葡萄とクルミ、黒ごまと岩塩、紅茶とアーモンド、黒米と濃厚チョコ)と季節によって変更している期間限定のパン1種類。
先日、「ササニシキの玄米60」を購入し、焼き立てのパンをいただいてみると「玄米の甘みがしっかりと感じられる美味しいパンだった」
しかし驚きだったのは、翌日食べたときの味わいだった。
なんと玄米の甘みだけでなく、うま味が増し、他店では味わいえない深みのある味わいになっているように感じた。
これはまさしく1斤で2つの味わいが楽しめる画期的な玄米パンとなっていた。
将来の目標を訪ねると、店主・中田氏曰く、
「当店のパンは特殊な上に、価格も一般的なパンに比べてだいぶ高価です(これでもかなり抑えているので、他ではこの価格で出せないとは思いますが・・・)。
このようなパンづくりは他の環境では中々出来るものではないと考えているので、この場所でなるべく長くお店を続けられることが今の私の望みです。」
最後に店主が今一番気に入っているパンを訪ねた。